原秀則 「冬物語」
- 作者: 原秀則
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1997/04
- メディア: 文庫
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読み終えた瞬間「えええええええ!」と叫んでしまった。
何だこれは。めちゃくちゃだ。
とにかくストーリーの破綻ぶりが半端じゃない。
つっこみどころが山ほどある。
詳しくは↓サイト様を参照のこと。
参照サイト様⇒http://www21.ocn.ne.jp/~kobataka/manga/winter.html
主人公、光の頼りなさは最早神がかっている。
最後まで、漫画的・予定調和的な成長を殆んど見せずに優柔不断を貫き通した。
ここまでやられると逆に、リアルで身近な存在に思えてくる。
光は同じ予備校に通う才女・雨宮しおりに恋をするが、
しおりには東大生の彼氏がいた。
光は3年間弱気なアプローチを続けるが、結局ふられ
しおりは彼氏のいる東大に行ってしまう。
最初にヒロイン的な立場で登場しておきながら、結局前の彼氏と
ハッピーエンドとは一体どういうことなんだろうか?
「所詮、高嶺の花には手が届かないんですよね」とでも言いたいのか?
最後まで優柔不断な主人公になびくことのなかった
しおりの存在も、逆に凄く現実的だ。
奈緒子だけが、現実にはありえそうもない、実に漫画的な存在。
何故か光のことを好きになり、
一度はあきらめて別の男に走るものの、
光に泣きつかれ(ここのシーン情けなくて最高)、何故か戻ってくる。
しおりとは対照的だが、奈緒子の非現実的な、都合のいい魅力でこの漫画はもっている。
正直酷い作品だとは思うけど、
主人公の徹底した優柔不断ぶりをまるで自分のことのように楽しみながら、
最後には漫画的魅力を持った奈緒子と都合良く結ばれる幸福を味わうことができたので、
読後感は結構よかったりする。